お疲れ様ですーー「ユヲン」ですーー
この記事を読んでわかること
1.「殺戮にいたる病」の詳細・感想
2.作者「我孫子武丸」さんについて
3.「殺戮にいたる病」をお勧めの人
あなたは「殺戮にいたる病」という小説をご存知でしょうか?あの「ひろゆき」さんも大絶賛したことでも有名な作品です。私は読み終えてから数日経った今でも、その衝撃的な内容が頭から離れません。正直、グロテスクな描写のせいで何度も本を閉じそうになりました。でも、最後まで読み切って良かった。その理由を、これから詳しくお伝えしていきます。
殺戮にいたる病とは?
作者「我孫子武丸」さんとは?
我孫子武丸さんは、ミステリー作家としての顔と、ゲームシナリオライターとしての顔を持つマルチクリエイターです。特に注目すべきは、多くのゲーマーの心を掴んだ名作アドベンチャーゲーム「かまいたちの夜」の脚本を担当していることです。
「かまいたちの夜」は、1994年に発売され、その後も様々な機種で移植されるほどの人気作品となりました。物語が複数の結末に分岐するマルチエンディング形式を採用し、その緻密なシナリオ展開は、当時のゲーム業界に大きな影響を与えました。
我孫子さんは、このゲームシナリオで培った:
- 複雑な伏線の張り方
- 読者(プレイヤー)の予想を裏切る展開
- 多層的なストーリー構造
- 鮮やかな伏線回収
といったテクニックを、小説でも存分に活かしています。「殺戮にいたる病」は、そんな彼の真骨頂とも言える作品です。
この作品の強烈な特徴は?
「殺戮にいたる病」最大の特徴は、そのグロテスクな描写と精緻な心理描写の見事な調和です。単なるショッキングな表現に終始するのではなく、人間の深層心理に迫る緻密な描写が本作品の真髄となっています。
特に注目すべき点は:
- リアルすぎる暴力描写
- 登場人物の複雑な心理変化
- 緻密に張り巡らされた伏線
- 予想を裏切る展開の数々
これらの要素が絶妙なバランスで組み合わされ、読者を強烈な没入感へと導いていきます。
殺戮にいたる病のあらすじは?
※以下、重要な展開のネタバレは極力控えめに説明します。
東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。
読書メーター新装版 殺戮にいたる病
特筆すべきは、物語の展開方法です。「かまいたちの夜」で培われたテクニックが随所に散りばめられており、読者の予想を完全に裏切りながら、しかし「あぁ、確かにその伏線があった」と唸らせる展開の数々。そして最後には、すべてを覆す衝撃的な真実が待っています。
殺戮にいたる病私の感想
とにかくグロい・・・
率直に言って、この作品は想像を超えるレベルでグロテスクです。残虐性の描写は、私のこれまでの読書経験の中でダントツ。特に中盤以降の展開では、描写がより生々しくなっていき、何度も読むのを中断せざるを得ませんでした。
具体的な描写については控えめにしますが、以下のような場面で特に注意が必要です:
- 第3章の事件現場描写
- 中盤での追跡シーン
- クライマックス直前の衝撃的な場面
頭の中で想像させるのが容易な描写表現
我孫子武丸さんの描写力は素晴らしいのですが、それゆえに問題とも感じました。表現がとても具体的で生々しいため、読者の脳内で否が応でもイメージが形成されてしまうのです。
特に優れているのは:
- 五感を刺激する細かな描写
- 臨場感溢れる情景描写
- リアルな心理描写
これらが相まって、まるでその場にいるかのような没入感を生み出します。
たったの1行で世界が変わるどんでん返し
物語終盤の展開は、まさに圧巻です。たった1行の描写で、それまでの物語の解釈が完全に覆されます。これは「かまいたちの夜」でも披露された我孫子さんの真骨頂とも言えるテクニックで、読者の度肝を抜くこと間違いなしです。
どんでん返しの凄さは:
- 伏線の巧みな回収
- 意表を突く展開
- 納得感のある真相
- 再読後の新たな発見
誰にお勧め・・・?
正直誰にもおすすめしたくない・・・
正直に告白すると、この作品を人に薦めるのはためらわれます。その理由は単純で、あまりにもグロテスクで過激な描写が含まれているため。「こんな本を読んでる人なんだ…」と引かれてしまいそうで怖いのです。
特に以下の方には絶対におすすめできません:
- ホラー・グロテスク表現が苦手な方
- 心臓の弱い方
- 繊細な描写が苦手な方
- リアルな暴力描写が苦手な方
けど、無類のどんでん返し好きには!!
しかし!以下のような方には、強くお勧めできる一冊です:
- ミステリーの伏線回収を楽しみたい方
- 「かまいたちの夜」のような複雑な展開が好きな方
- どんでん返しの名手の技を味わいたい方
- グロテスク表現に耐性のある方
まとめ
「殺戮にいたる病」は、その過激な表現と衝撃的な展開で、読者の心に強く残る作品です。「かまいたちの夜」で高い評価を得た我孫子武丸さんの手腕が、小説という形でさらに磨きをかけられた傑作と言えるでしょう。
確かにグロテスクな描写は万人向けではありません。しかし:
- 緻密に張り巡らされた伏線
- 鮮やかなどんでん返し
- 深い人間心理の描写
- 圧倒的な没入感
これらの要素は、間違いなく一級品です。
読む際は以下の点に注意してください:
- 心臓の弱い方は要注意
- 夜中の一人読みは避けること
- グロテスクな描写が苦手な方は回避推奨
- どんでん返し好きには必読の一冊
最後に一言。この作品は確かに刺激が強すぎる面はありますが、その分だけ強烈な印象と読後感を残してくれる一冊です。「かまいたちの夜」のファンならではの緻密なストーリー展開と、小説ならではの詳細な描写が融合した本作。覚悟を決めて読む価値は、間違いなくあります。
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